P5S完走した感想

 P5Sをクリアしたので感想を述べます。

 

 結論からいうと爽やかでサイコーでした。ちゃんとできんだから最初からやれやって感じでした。

 具体的には、

①無印P5で不評?だったと思われる部分を修正してきた。僕の言いたいことを全部言ってくれた感がある。

②P4に寄せてきた(特に終盤)。

③P5Rとテーマがかぶらないように相当気を使った形跡があった。

 

①について

 僕は無印P5をやっているときに「みんなこいつら(怪盗団)みたく強くねーんだよ…」とか「怪盗団のやっている“改心”は結局人の心を無理やり捻じ曲げているだけなんじゃねーの?」とか「リュージがクソクソクソうるせえなあ。ヘイトためてるだけのキャラになってねえかコイツ…」とか思ってました。

 こういうこと思っているのは僕だけなのかなと思ってツイッタとか掲示板とか覗いてみたら、やはり僕みたいに思う人は一定数いたみたいです。そういう意見がアンケート等を通してアトラスに届いたかどうかは分かりませんが、上記の点について相当納得できるつくりにはなっていたと思います。

 たとえば無印P5は「自分の頭で考えて、その意思で選び取る」ことを、考えることを放棄した大衆に向かって説きます。無印P5はその点について「怪盗団サイコー!!」という勢いのまま特に理由や説明もなく終わります。

 ところが、P5Sは敵キャラが「みんなおまえら(怪盗団)のように強いやつばかりじゃない。お前はそいつらに寄り添えてるのか?」とはっきり言います。

 また、あるキャラが「怪盗団のやってる改心と俺のやっている改心、一体何が違うというの?自分らのやってることは正しくて、こちらのやっていることは間違っているってどうしていえる?」とも言います。

 これはまさにプレイヤーが思っていたことを代弁するもので、やっと来たかと思いました。これらの問いかけに対する答えは本編をプレイしてください。

 

 次に、無印P5のパレスの主たちは極悪非道で同情の余地のない悪党ばかりだったと思います。制作側はそれぐらいの悪党に仕立て上げないと改心の対象としては生ぬるいと思ったのでしょうが、かえって胸糞悪くなるだけでしたし、それにどんな悪党だろうと、怪盗団たちが人の心を無理やり捻じ曲げる”改心”という外法の手段をもって対抗している点で、それって自力救済だよね?という疑問が拭えないでしょう。

 この点、P5Sだと、ジェイルの王たち(無印P5のパレスの主みたいなもの)は、人々を洗脳し”改心”させている→改心をとめなければならない→ジェイルに侵入して王を倒す必要がある(もとに戻す)というふうに王を倒さなければならない理由を一応合理的に説明しているのが良いなと思いました。

 また、ジェイルの王たちは苦悩し、努力していた形跡あったり、同情すべき過去エピソードを盛り込んだりして敵キャラとして完成度は高かったと思います。こういう浪花節が日本人にはウケるのです(今流行ってる鬼滅の刃もそうですよね?ニッコリ)。

 

②について

 最後は、変な謎めいた言動(リュージのまだ夢の中にいるみたいだ発言等)もなく、また会えるよね?またね!!というふうに終えているのがとてもよかったです。そう、思わせぶりな言動はいらんのじゃ。

 

③について(P5Rやった人向け)

 P5Sは無印P5の正統続編です。んで、P5Rは無印P5の完全版です。よってP5Rの世界でおこったことは、P5Sでは存在してなかったことになります。なんでこのようになっているのか多分プレイヤー全員が理解できないと思いますが、おそらくP5RとP5Sは開発期間がモロかぶりしてて相互の作品感で整合性をとることは困難だからなんだと思います(開発にコーエーが絡んでるので余計に整合性とるのが難しいんだと思います)。

 P5Rは「辛い現実よりも、優しい嘘を選ぼうぜ」みたいな問いかけが大ネタとしてあって、それ自体はまあいいんじゃないって思うんですけど、芳澤かすみというキャラの扱いとかエンディングの謎展開とかモロモロがヤバすぎて「もうP5関連のゲームは絶対買わねえ…消化不良なもん出しやがって」とまで思ってました。

 それに対してP5Sは「もし道に迷ったら、一緒に探そうぜ」みたいなことが大ネタになってて、前述した「みんな自力で道を選べるような強いやつらばかりじゃない(からこそ一緒に探そう)」という問いかけの答えになっているのがすばらしいと思いました。

 

 長々と書きましたが、無印P5をクリアした人は是非P5Sをやってください。とても爽やかな気分になれると思いますので。