さようなら、敗者
一年にも及ぶ歯医者通院が終わった。
調べてみるとちょうど去年の2月に通い始めて、ほぼ毎週予約を入れてたので回数にすると40回程度。
歯を3本やったのでこんなに長くなりました。
虫歯を治療してたというより、副鼻腔炎の治療の一環として、鼻に近い歯の根の清掃や膿の除去をしていました。3本同時に治療することはできず、一本一本やることになるのでこんだけ時間がかかってしまった。
しかし1年間だったがたくさんの思い出ができた。
親の顔より見た先生の顔、実家のような安心感の診療室。家のソファよりも居心地が良い診察台のイス。うがい用のコップで水をがぶ飲みした夏の日。優しい雰囲気と声で俺を時に励まし、慈しみ、通う動機を与えてくれた衛生士。好きになってなんかないんだからね。
先生が「はい!これにて全部終了!長い間お疲れさまでした!」と言った時にみんながおめでとう!おめでとう!!と言ってくれまるでエヴァの最終回のようでした。
僕は旅立つサンジばりに長い間クソお世話になりましたと土下座をして歓声に応えました。
先生が最後に「また…いつでも来いよ!」と俺の肩を叩いた。
僕は「いやもうできれば2度と来たくないです」と言う。
「それもそうかガハハハ!!」と周りがドッと笑う。
そうこれでいい。別れは寂しい。だから楽しく別れたい。
治療費540円を払って歯医者を出て、ビニコンで超ハードグミを買って袋を開けて噛み締める。
「歯、全然痛くねえや」
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帰宅して診察カード見たら4月に定期検診入れられてた。
プィーン
寝る